土地家屋調査士とはどんな仕事をして、年収はいくらなのか?将来性はある資格なのか。
土地家屋調査士の試験の概要や難易度を宅建や行政書士と比較しつつ、わかりやすく解説していきます。
土地家屋調査士の仕事に興味を持っているなら、この書籍をじっくり読むと試験への気構えが変わります。
土地家屋調査士とは、どんな仕事をするのか
土地家屋調査士の試験は誰でも受験することが出来ます。つまり、どんな人でも土地家屋調査士になることができるということです。
税理士試験などのように受験資格が必要無いため、受験までの敷居は低いと言えます。
土地家屋調査士の仕事内容は、土地・建物の表題登記をすることです。
家を建てたときに、建物の所在、構造といった建物を特定するための申請書の提出、土地の測量や地積測量図などの書類の作成といった仕事をします。
建物の階数や屋根の種類、構造といった情報を申請書類に記載して法務局に提出して登記をする。これは、土地家屋調査士の独占業務であり、土地家屋調査士でなければできません(一部例外があります)。
登記とは土地や建物の所在や現状をしめす「表題部」と、所有権や抵当権などが記される「権利部」とにわかれています。
このうち「表題部」の登記は土地家屋調査士が受け持ち、「権利部」の登記は司法書士の業務となっています。
土地家屋調査士の他の業務としては、土地の境界線の調査、建物の滅失登記も行います。境界標という杭の打ち込みも土地家屋調査士の仕事の一部です。
近年、土地家屋調査士の高齢化が進んでいるため若手が少なくなっています。仕事の需要は高く、資格をとって独立開業することができる将来有望な資格です。
土地家屋調査士の年収はいくらか
土地家屋調査士の年収は勤め先の事務所や企業によって変わってきます。概ね500万円~600万円が相場と言われています。
雇われの場合はそれほど収入は高くありません。営業センスがあれば、事務所を独自に開いて稼ぐことも可能です。
土地家屋調査士の資格は独立開業することで、収入を増やすことが出来ます。ですが、業務内容が特殊なため、いきなり独立すると、測量方法や申請書類の作成に苦労することになります。
東京法経学院はそのへんが手厚くて、独立開業する場合の測量実習などを開いているので活用してください。
土地家屋調査士を目指すならば、少なからず東京法経学院のテキスト、過去問、そして模試にお世話になることになることでしょう。
土地家屋調査士の試験では、東京法経学院がずば抜けて対策に力を入れています。
土地家屋調査士の難易度とは?宅建&行政書士と比較
土地家屋調査士の合格率は約8%で、国家資格の中でも「やや難しい」試験と言えます。
土地家屋調査士の合格までの勉強時間は、おおよそ1400時間です。ほとんどの勉強時間は「書式の対策」に使われます。
宅建の合格までの平均勉強時間が300時間ほどと言われていますので、4倍以上の勉強時間が必要になるでしょう。
行政書士が700時間以上だと言われているので、土地家屋調査士のほうが行政書士よりも難しいことが分かります。
宅建や行政書士よりも、土地家屋調査士の方が勉強時間がかかり難しいのは経験者ならよくわかります。これは主に「書式問題」の対策に時間がかかるためです。
宅建は択一問題のみ、行政書士は択一問題と論述問題があります。行政書士の論述問題は文章を書くだけなので対策がそれほど難しくありません。
ですが、土地家屋調査士の書式は土地・建物の申請書を仕上げるというもの。とくに土地や建物の作図をしなければなりません。
だからこそ土地家屋調査士試験の難易度は、宅建や行政書士よりも高いと言えるのです。
宅建が難易度100だとすると、行政書士の難易度は200、土地家屋調査士の難易度は300くらいの差があります。
難易度から見て独学は可能か
受験生の勉強法については、独学が43%、通学が23%、通信が33%、その他1%とのことです。つまり、半数以上の受験者が、なんらかの専門学校を利用しているという結果があります。
専門学校が作っているテキストと過去問を使って勉強することで独学合格は可能です。一般書店で売っている教材だけでは、まず独学合格は無理でしょう。
本気で合格を目指すならば専門学校を利用した方が効率的です。
土地家屋調査士の試験対策用テキスト、過去問は市販のものがかなり少ない。以前は東京法経学院もLECも一般の書店(アマゾンや楽天)で買えるテキストと過去問を出版していました。
しかし今は、自社のWEBショップのみでしか買えない「テキスト・過去問」のほうに力を入れています。
一般書店で買えるものを揃えるよりも、東京法経学院やLECでテキストと過去問を買った方がおすすめです。とくに択一対策の問題集は、東京法経学院のものを使った方が合格に近づけます。
択一問題に関してはこの過去問集のみで足切り点に引っかかることはまずありません。あとはどう「書式問題」
の対策をとるかが、独学合格の肝になります。
書式問題の対策はとにかくいろんな問題を解くことが大事です。そして、解き方を体に覚えさせることです。
土地家屋調査士の試験日はいつなのか
以前の土地家屋調査士の試験は8月に行われていましたが、試験日が変更となりました。例年10月の第三週目の日曜日に試験を実施することになっています。
これは午前試験の免除に利用されている「測量士補」の合格発表などの兼ね合いがあると言われています。以前は、測量士補の合格発表が土地家屋調査士の試験申し込みと被るため、手続きが面倒でした。
多くの方は土地家屋調査士試験の午前の部を受験しません。かわりに5月ごろに行われる「測量士補」の試験をうけています。
土地家屋調査士の午前の部の試験を受けるよりも、「測量士補」の資格試験を受ける方がはるかに簡単なためです。
土地家屋調査士試験の午前の部は、「測量士、測量士補」「一級・二級建築士」の資格を持っていることで免除することが出来ます。
土地家屋調査士の受験料金
土地家屋調査士の受験料金は8300円。願書の申込受付期間が8月上旬から中旬までと短いので注意してください。
受験の申し込みについては、東京法務局か大阪法務局に問い合わせてください。
土地家屋調査士の合格発表日
午前の部・午後の部の試験結果は、12月上旬ごろ
口述試験の結果は、翌年の2月中旬ごろ
土地家屋調査士になるためにはどうすればいいのか
土地家屋調査士になるためには、国家資格である土地家屋調査士試験に合格して、土地家屋調査士会に登録する必要があります。
業務独占資格ですので、土地家屋調査士または土地家屋調査士法人でないものが、土地家屋調査士の業務を行ってしまうと1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
土地家屋調査士、土地家屋調査士法人の名称と似たような名前、紛らわしい名称を使った場合も100万円以下の罰金に処せられるので注意が必要です。
土地家屋調査士の試験内容と試験時間
土地家屋調査士の試験には「午前の部」と「午後の部」、そして「口述試験」があります。
「午前の部」は、択一問題10問と記述式問題1問を2時間で行います。「午後の部」は、択一問題20問と書式問題2問を2時間30分で解く試験です。
午前の部の試験は「測量士補」の資格をとることで免除できるため、多くの方が午前の部を免除して「午後の部」だけを受験します。
専門学校も「午前の部」の対策は、ほとんどしていません。多くの専門学校が「測量士補」の合格を視野に入れて講座を開いています。
専門学校の講座を受けなくても、測量士補試験の対策は過去問一冊で十分です。それくらい簡単な試験なので土地家屋調査士の「午前の部」を受けるよりも、はるかに楽に合格できます。
午後の部の試験では、民放、不動産登記法、土地家屋調査士法などから択一問題が20問出題されます。
択一方式の問題は全て5択問題で、足切り点が存在しています。択一の問題で足切り点に引っかかると、書式の解答が採点されません。
足切り点は17問前後です(足切り点は毎年変動するので、これくらいとっておけば安心という目安)。択一問題はこの17点以上をとることが土地家屋調査士試験の突破に必要な実力と言えます。
「新・合格データベース」という過去問を7回転すれば、まず足きりに引っかかることなんてありません。問題数が他と段違いなので、これ以外の択一の問題集はいりません。
値段はお高いのですが、掲載されている圧倒的な問題数を見れば、むしろ安い値段だと理解できます。問題数は3000問を突破しています。
土地家屋調査士の試験には択一問題だけでなく、書式の問題も土地、建物の2問が出題されます。
この書式の攻略が、土地家屋調査士試験の合否に関わる部分です。
択一問題と違い、書式問題は数をこなして体に覚えさせる必要があると言えます。
三角定規に関数電卓、練習用の申請用紙など必要なものがいくつもあるので、東京法経学院やLECで一式そろえましょう。どちらを選ぶのも自由です。
土地家屋調査士試験合格サイト 東京法経学院
LEC東京リーガルマインド
午後の部は、択一問題と書式問題を合わせて、2時間30分以内に解答する試験です。
関数電卓はアマゾンで売っているこの商品がおすすめ。無駄に機能が多くて、値段の高い関数電卓は不要です。
口述試験の範囲は、午後の部試験範囲と土地家屋調査士の業務を行う上で必要な知識となっています。面接の試験時間は15分くらいです。
口述試験の日程は、筆記試験の翌年1月の第3週目です。
土地家屋調査士法の条文に関しての質問が多いそうです。口述試験は東京法経学院で対策用の冊子がもらえます。
土地家屋調査士とは何か、年収と難易度まとめ
土地家屋調査士は所有者の大半が高齢者となっており、廃業する事務所も後を絶ちません。
仕事の需要は高いため、資格を取得すれば活躍できる場は日本全国にあると言えます。
受験資格が無いので、どなたでも土地家屋調査士を目指すことが可能な国家資格となっています。
しかし、難易度は高く、専門学校のテキストや過去問を駆使して効率よく対策を練らなければ合格は難しいでしょう。
択一問題の対策は東京法経学院の問題集だけで十分対処が出来ます。私は、新・合格データベースを7回転させたことで択一の足切りに引っかかったことはありません。
一番の問題は「書式問題」の対策です。独学での勉強を考えているのであればこの記事をお読みください。
・土地家屋調査士を独学で合格するためのテキスト・過去問の選び方
はっきり言って、書式問題は時間との戦いです。どれだけ短時間に座標の求め方をひらめき、申請書を完成させ、作図を正確に描き切るか。
択一問題にかけられる時間は長くとも30分。残り2時間を上手く使って、土地・建物の書式問題を終わらせなければならないので大変です。
決して簡単な試験ではありませんが、土地家屋調査士の高齢化が進んでいる今、若い人の需要が高まっている現状があります。
士業の中で、特殊な技術(測量)が必要な土地家屋調査士は将来有望な資格です。
受験の対策には東京法経学院が一番おすすめ。ちなみに、ユーキャンは論外です。あの教材の内容で受かったらすごすぎると思います。情報がまるで足りません。
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