国家資格の中での人気の高い資格である宅建士。もともとは宅地建物取引主任者という資格名でしたが改名され、今では「宅地建物取引士」という名前になりました。
名前が変わったからと言って資格の難易度がとびきり上がったとか、仕事内容が大幅に変わったとか、そういったことはありません。
以前の宅建試験よりは、多少の難易度上昇はありますが、勉強方法はかわりません。
独学だろうが、専門学校にいこうが、最終的に行き着く勉強法は「過去問の繰り返し」です。
私も初心者の状態から宅建に一発で合格できました。そこで感じたのは過去問の理解力の大事さです。
宅建試験と言うものは、きっちりと勉強を積み重ねれば、独学でも、初心者でも、合格を勝ち取ることが出来る資格試験です。
しかし、初心者の状態だとどうやって勉強すればいいの?おすすめのテキストと過去問はどれ?と迷ってしまうことでしょう。
独学の場合「これでいいのかな?もっと、いいやり方があるのでは?」なんて疑問を抱えたまま学習を続けることになるかもしれません。
なので、初心者の状態から宅建試験に独学で合格できた私が、おすすめの勉強法、おすすめのテキスト・過去問、そして受験日まじかでの対策などをお教えしたいと思います。
独学でも必ず合格は勝ち取れるので、がんばって勉強を積み重ねてください。
宅建の試験日っていつ?どんな資格?合格率、合格点は?
宅建試験は問題数50問、全問マークシート形式で4択問題です。試験時間は2時間、途中退室はできません。
難易度としては国家試験の中では簡単な部類ですが、あくまで「国家試験」の中ではです。
行政書士試験の難易度を5だとしたら、宅建は3くらいだと言えます。
はじめに言っておきたいのは、宅建試験は1か月とか数週間などの短い学習期間で合格できるような「低難度の国家資格」ではないということです。
ネット上などでは「無勉強で合格できたわぁ~www」とか「初学者だけど1か月で合格できました」だとか言う人がいますが「無理」としか言えません。
大学が法学部で建築基準法や宅建業法、民法などを事前に勉強した状態で「宅建の学習」をはじめたのなら1か月の勉強や無勉強でも合格できるかもしれません。
ですが、法学を学んだ地盤が無いひとが、ちょっと勉強しただけで合格できるほどぬるい試験では無いのです。
そこをきっちりと理解してから勉強をはじめてください。低難易度の国家試験だとなめてかかると受かるものも受かりません。
宅建の試験日は例年10月ごろ、試験開始時間は午後1時から午後3時までの2時間です。
2020年は10月18日(日曜日)が試験日。試験日は公式サイトなどで実際に確認してください。
国家試験の中には途中退室できるものがありますが、宅建は途中で退室することができません。
体調を整えて試験に臨みましょう。
試験会場では数百人ほどの受験者が大学などの会場に集まることになります。ものすごく、トイレが込み合うので試験会場につく前にデパートなどで、トイレを済ませておいたほうがいいかもしれません。
本当に込み合うので注意してください。私はお腹が痛くて空いているトイレを探し、さまよったほどです(笑)
宅建の合格率はおおよそ15%から17%前後で推移しています。
合格点数は毎年バラバラで、50点満点のうちで31点が合格点だったり、37点が合格点だったりと変動があります。
合格点は変動していますが、どの点数も全体の7割どまりです。
つまり、8割の得点が出来るくらいの勉強をつんでいけば合格に届くということです。
合格最高点は37点なので、演習問題をやるときは37点を目指してください。独学の場合は、甘い目標設定だと不合格一直線。
本気で合格を勝ち取りたいならば、8割取れるくらいに勉強しましょう。
きつめの目標設定にしておいたほうが、試験当日に一喜一憂しなくて済みます。
試験本番は会場の雰囲気に飲まれて緊張してしまいますし、周りに多くの人がいて試験時間という制限がある状態です。
本来の力を100%発揮できるとは思わないほうがいいですよ。私の経験上の忠告です。
特に国家試験が初めての場合は、本気度が高ければ高いほどに緊張感が増します。
国家試験の本番と言うものはどんな試験でも緊張感が漂っているので、呑まれないように注意してください。
慣れてしまうとどうってことないものですが、はじめての場合は緊張感を楽しむ余裕もないのでそのつもりで受験しましょう。
試験当日はLECなどの専門学校が、午後7時ごろに予想合格点や正誤表を公開します。それを参考に答え合わせをしてください。
たまに専門学校間で意見の異なる問題が出る場合があるので、その時は迷わず自分の解答を「×」にしてください。
運否天賦に合格をかけてはいけません。ぬか喜びのもとです。
宅建の合格発表は12月ごろ、つまり結果を知るには試験日から1か月はかかります。
それまで、ふわふわした気持ちにならないためにも、自己採点は厳しめにやりましょう。
宅建に独学で合格できるのか?勉強時間はどれくらい?
独学で宅建士の合格を目指す人はたくさんいます。毎年20万人以上の受験者のうち合格できる人は約3万人。
10人中1~2人しか合格できません。
受験者の中には記念受験をする人や、学校や会社に言われたからしぶしぶ受験する人、資格試験が趣味の人など様々な人たちがいます。
宅地建物取引士に合格できるのは、しっかりと勉強して準備を進めてきた人たちです。記念受験やしぶしぶ受験する人ではありません。
よっぽど運がよければマークシート方式の試験なので、まぐれ合格することも可能かもしれません。まぁ、無理ですね。
運で合格したところで資格と言うものは、合格してからも勉強は続くので身になりません。
宅建に合格できるくらいの知識量は、実務の上では初歩中の初歩です。
これくらい、業界内では知っていて当然でしょ?レベルの知識なので資格を使って不動産業で働いていきたいならしっかりと勉強してください。
不動産業でなくても、宅建の知識は役に立つ場面が多いので無駄にはなりませんよ。
さて、宅建試験に合格するにはどんな勉強をすればいいのでしょうか。
もしもあなたが「国家資格の学習方法が分からない、テキストの選び方もどれが良いんだかわからない!」と考えるならば、全部まるっと合格まで導いてくれるフルコースの宅建講座をおすすめします。
特に合格実績の多い専門学校である「LEC」がおすすめです。宅建の試験日に正誤表の公表や試験問題の解説もやっていて、宅建の講座に力を入れています。受験者の信頼の厚い専門学校なので一押しです。
ですが、まずは「費用をおさえたいな」とか、「最初は自分のペースで勉強したいな」なんて考えているなら、独学で宅建の勉強をはじめることをおすすめします。
専門学校の講座を受講するよりも費用が十分の一くらいですみます。
最初は独学で勉強をはじめて「なんだかしっかりと理解できないな」と途中で感じる場合は、講座の受講を視野に入れるといいと思います。
私が独学で宅建に一発合格したときの勉強時間は317時間ほどです。正確な数値ではありませんが、記録をとっていたので上記の勉強時間以上は勉強していました。
1日だいたい2時間の勉強を続けて半年ほどで合格することが出来ました。
宅建に独学で合格したときの点数は40点くらいだったかな?なので、合格点をとるには勉強時間は300時間も必要ないかもしれません。
平均的には合格者の皆さんは250時間以上は勉強しているようなので、この時間を参考に日々の勉強時間を設定してください。
宅建試験は独学でも合格は可能な試験です。
合格するためにも、勉強時間の見積もりはしっかりやることをおすすめします。
初心者が独学で宅建に受かるための試験道具
国家試験を受けるのが初めての人は、マークシート形式の試験になれていないかもしれません。
マークシート形式の試験を受ける際は、マークシートに特化したシャーペンか鉛筆、消しゴムを用意することをおすすめします。
上記のようなマークシート試験用のセットを購入するか、芯が大きめのシャープペンや濃い目の鉛筆を使うことが重要です。
鉛筆を持ち運ぶときはキャップを付けたほうがいいでしょう。移動中に芯が割れてしまうと大変です。
マークシートを書き換えたい場合などはしっかりとマークを消すために良く消える消しゴムが必要です。他の部分を消さずにピンポイントでマークを消すためにペン型の消しゴムをおすすめします。
そして、国家試験に欠かせないのが何の変哲もない腕時計です。
国家試験の会場では、常に時計が設置されているとは限りません。ない場合もあり、その時は試験官の口頭でのお知らせか自分が持ってきた腕時計しか、時間を知るすべはありません。
音が鳴る時計や、タイマーがついている時計など無駄な機能が一切ないものをおすすめします。試験中になってしまうとカンニングを疑われる可能性があるので注意してください。
宅建試験はしっかりと勉強して臨めば、時間に追われるような試験ではありません。
ゆっくりやっても1時間半くらいには全50問を解き終わります。
焦らずじっくりと問題と向き合うためにも、マークシート試験用の道具をしっかりと準備して臨みましょう。
独学での勉強をするうえで、過去問やテキストに書き込むためのフリクション蛍光ペンを使うと便利です。
間違ってしまった問題や、覚えておきたいテキストの文章をマークするのに最適。
フリクションなのでこすると消えます。理解できた箇所から消していけるのです。
最初はテキスト・過去問に蛍光マーカーがたくさんあったのに、学習を進めていくうちに徐々にマーカーの箇所が消えていくと「あぁ、かなり勉強が進んでいるなぁ」と成長を実感できます。
勉強のお供にフリクションの蛍光ペン。これは必須の道具です。
試験に必要な道具をまとめると以下のものです。
・鉛筆2本(シャープペンが壊れたとき用の予備)
・鉛筆のキャップ
・ペン型消しゴム
・シンプルな腕時計
・勉強に使うフリクション蛍光ペン
宅建独学合格へ向けた勉強法。おすすめのテキスト・過去問
独学での学習はテキスト・過去問選びが重要です。
一つ忠告しておきたいことがあります。それは、完全な初心者(法学を学んだことが無い人)の場合は情報が網羅されたテキストで勉強を始めないでください。
法学に触れたことが無い人にとって、宅建合格に必要な知識が網羅されているテキストは「毒」です。
学習がある程度すすんだ段階では、情報が網羅されているテキストが必要になりますが、はじめからたくさんの情報が盛り込まれた書籍で勉強を始めると確実に嫌になって投げ出してしまいます。
初心者の人におすすめなテキストは『2020年版 らくらく宅建塾』という宅建学院が出版しているものです。
このテキストの良いところは分かりやすいところ。合格に必要な部分のみピックアップして掲載しているところです。
イラストや語呂合わせで覚えにくい部分をわかりやすく解説しているのでスラスラと頭に入ってきます。
私も勉強を始めたときにお世話になったテキストが、この「らくらくシリーズ」です。
ただ、これのみだと宅建合格は運に任せることになります。なぜなら、このテキストは合格に必要な「最低限の知識」しか網羅していないから。
独学で宅建に合格するには、らくらくシリーズ1冊のみでは知識が足りません。
第2テキストとして『パーフェクト宅建の要点整理』をおすすめします。
テキストは必ず最新版を買うことをおすすめします。
第2テキストである『パーフェクト宅建の要点整理』は、 らくらく宅建塾のテキストで基礎を理解して、過去問を1回とおしでやった後に使うと知識が広がります。
らくらく宅建塾で勉強をした後に、過去問を解くことで知識不足を実感するはずです。
それを補完するためのものが『パーフェクト宅建の要点整理』なのです。試験会場にもっていって最終確認をするときにも活躍する一冊。
ただ『パーフェクト宅建の要点整理』は、かなり細かい部分まで網羅しているので、宅建に合格さえすればいいという人にとっては評判の悪い書籍です。
それでも、余裕をもって「独学での合格」を目指すには必要なテキストなので、ぜひ挑戦してみてください。
過去問はユーキャンの過去12年分の問題が載っているものがおすすめ。
科目別の出題傾向と対策、問題ごとに合格者正答率の掲載、イラストでイメージしやすい解説。
さらに、引っかけ問題への対応など合格に必要な知識をしっかりとカバーしてくれる最高の過去問です。
テキストが「らくらく宅建塾シリーズ」なので、過去問も同じシリーズでそろえたいと思うかもしれません。
しかし、一社が出しているテキスト・過去問だけを使うと知識、考え方の偏りができてしまうので、宅建の場合は別々の会社が出版しているものを使うことをおすすめしたい。
そして、最後に欠かせないのが厳選問題集などの模試ができる書籍。
これは勉強が一通り終わって「よし!力試しをしよう!」という段階でチャレンジしてください。
独学で一発合格を狙う場合は、出来るだけ手に入る模試に挑戦することをおすすめします。
とくに国家試験にかんして、初心者ならばなおさらです。
本番の緊張感は一度味わってみないと慣れません。その場の雰囲気にのまれてしまうと合格できるだけの知識を持っていても、本来の力を発揮できない可能性があります。
私も初めての宅建試験の日に緊張してしまい、開始30分くらいは脳みそが集中してくれませんでした。
本番で緊張しないためには、本番を想定した予行演習を行うことが大切です。
普段勉強している場所をはなれ、図書館などで時間をきっちり図って挑んでみてください。
その際は、宅建の過去最高の合格点である「37点」以上を目指しましょう。
上記のテキスト・過去問・模試をしっかりやれば合格は間違いありません。
国家試験合格への近道はとにかく「過去問」を繰り返し回して、過去に出た問題は1問も逃さないくらいの状態を作ることです。
そして、本番を想定した模試で実力チェック。
後は本番で実力を発揮できれば、独学でも宅建に合格できること間違いなし!
宅建に合格した後は不動産の三冠を目指そう!
宅建に独学で挑んで合格するには以上のテキスト・過去問・模試が必要です。
独学での費用はざっと、1万5000円。最低でもこれくらいかかると思ってください。
費用に余裕がある場合は、合格までに必要な知識をすべてカバーしてくれる講座を受講したほうが楽かもしれません。
LEC東京リーガルマインドは、宅建合格後の登録講習でもお世話になることがあります。実績が充分あるので信頼できる専門学校です。
宅建に合格した先には同じ分野の知識をさらに深められる資格として、マンション管理士と管理業務主任者があります。
マンション管理士は合格率8%と不動産系国家資格の中では難しい部類。管理業務主任者は宅建に合格できたなら、少し努力するだけで合格できると思います。
マンション管理士も管理業務主任者も、どちらもマークシート試験なので独学で合格を目指せる試験です。
ただ、マンション管理士は合格点が高いのと、問題が宅建よりも深いので難しい試験になっています。
テキスト、過去問、模試がかなり必要になるので「マンション管理士は独学でも合格できるけれど、講座受講のほうが手っ取り早い」ということを覚えておいてください。
LECにはマンション管理士と管理業務主任者にダブル合格するための講座があるので、確実に合格を勝ち取りたいなら講座の受講をおすすめします。
宅建に合格した後、さらに知識を高めたい場合はマンション管理士も管理業務主任者も挑戦する価値のある資格です。
宅建士、マンション管理士、管理業務主任者の3つの資格を持っている状態をトリプルクラウンと言って、不動産業界では重宝されています。
独学で宅建試験に合格しようと挑戦するならば、マンション管理士、管理業務主任者も視野に入れて勉強をすると成長スピードが上がることでしょう。
3つの試験を一気に合格しようとすると、10月11月12月と連続の試験になります。
気持ちや体力に自信がないならば、宅建をとってから次の年にマンション管理士、管理業務主任者に挑戦するほうが得策です。
宅建も他の不動産資格も、しっかりと勉強を積み重ねれば確実に合格できます。
本気で宅建合格を目指すなら、独学でも大丈夫です。
後はあなたのやる気しだい。合格目指して頑張ってください。
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